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とか色々と考えているといつの間にか坂を登りきり、校門がすぐ目の前まで見えていた。
裕紀はとりあえず考えるのを止めて玄関に向かう。
桜山高校という名前の通り、学園内には至る所に桜の木が植えられている。
そのほとんどが待ちに待った春を楽もうと言わんばかりに花びらを広げている。
もうちょっとで満開だな。
近くの桜を見上げて少しばかり立ち止まる。
寮の周りにも桜はあるのかな等と思いながら靴を履き替え、教室への道を進む。
クラス替えは夏休み後に行うという特殊なこの高校。
よって教室を間違える心配もない。
2階の廊下一番奥の「1-B」という札がかかった教室。
まだ札変わってねえのかよ。
今日から2-Bだろうが。
学校側のルーズさにツッコミを入れつつ教室に入り、自分の席につく。
教室内は既に人が集まっていてガヤガヤと騒がしい。
今日始業式が終わったら遊ぼうぜだのその前に部屋割りだろ?だのととにかく楽しそうな会話ばかりである。
窓際の後ろから2番目の席の裕紀は頬杖をついて空を見る。
チラリと時計を確認するとまだHRまで15分ほどあった。
裕紀はスクールバックを机の上に置き、パンパンと軽く形を整えてからその上に頭をのせた。
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