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「とにかく音が先走るのです。言うなれば、ただうるさいだけなのです。ガシャーン、ギューンと爆音だけが鳴り響くのです」
「あー、なんだ、うん。お前、ガンダムに乗りたいあまりにガンダムになったのか」
「わ、私はガンダムになりたくて日本に来たわけじゃない! 私はただ、自分で作ったガンダムに乗りたかっただけなんだ! それがどうして、こんな、こんな……」
胸にこみ上げてくるものは私を震わせる。胸から蒸気のようなものが漏れ出ているような音がするが私は無視した。タイヤから空気が抜け出るような音だ。私からはやる気が抜け出て行く。私が静かに震えることで生まれる騒音は少し小さい。まるで凍えているガンダムだ。
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