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「…え…?」
「ヘンだよ、…だって…。
春山先生は、ねーちゃんを
安心させるために、
…そういうこと、するんだろ。
自分がしたいからじゃなくて、
相手のために
そんなことするなんて…。
聞いたことない」
「……」
「せっかく今まで、
二人で決めて守ってきたことを、
…こんなに簡単に…」
言いかけた祐希は、言葉を切った。
「…簡単、じゃないのか…」
祐希は、口をとがらせ、
うーん、と唸った。
わたしの顔を
しばらく見つめてから、
急に勢いよく立ち上がる。
「やっぱり俺は賛成できない」
そう言って、くるりと
背を向け、ドアに向かう。
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