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「本当に、
先生のせいじゃないの。
わたしが、先生の気持ちを
裏切るようなこと、
したから…」
わたしは、
たどたどしいけれど
真っ直ぐな言葉で、
祐希に全てを話した。
先生の過去の恋愛に……
笹森さんの影に
怯え続けていたこと。
あの日、白井さんの部屋で、
二人の映像を観てしまったこと。
その事で、春山先生を
傷つけてしまったこと。
祐希は、時々戸惑うような
表情を浮かべながらも、
一生懸命に
わたしの話を聞いてくれた。
「…じゃあ…」
話を聞いた祐希は、
眉間にしわを寄せながら
口を開いた。
「先生は、
…ねーちゃんのために、
そう言いだしたってこと?」
「…うん…」
わたしは先生の顔を
思い浮かべながら、目を伏せた。
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