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「先生は、…わたしが、
笹森さんのことで
追い詰められたのが、
自分のせいだって…。
自分が、わたしを不安な気持ちに
させたからだって、思ってる。
だから…。
きっとわたしに、確かな繋がりを
くれようとしてるんだと思う」
祐希は腕組みをして、
じっと一点を見つめていた。
まるで、春山先生の気持ちを
手繰り寄せ、理解しようと
するかのように、随分と長い間、
考え込んでいた。
「それって、本当に、
正解なのかな」
「え…」
「卒業まで待つっていう
約束を破っちゃう事は、
…先生にとって、ものすごく
辛いことのような気がするけどな」
「……」
わたしが言葉に詰まると、
祐希は頭の後ろを
バリバリ、と掻いてから、
こちらを見上げた。
「…へんなの」
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