*1個目*

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気付くと視界には光を遮断され、真っ暗になっていた。 目の前には、男の顔。 あたしより頭一つ分背の高い男に見下ろされ、顔の横には男の腕が通っている。 突然の出来事に頭がフリーズしていたあたしは、ハッと我に返る。 「な、何すんのよっ!」 男の腕を振り払おうとするけれど、びくともしない。 「男に力で勝てる訳ねーだろ」 男はフッと鼻で笑って、顔を近付けてきた。 キ……ス、される。 「やだっ!」 「……!!」 唇がつく、あと1㎝のところ。 あたしは無我夢中で、膝で男の急所をギリギリで蹴り上げた。
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