*1個目*

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男はその場で唸りながら、しゃがみ込んだ。 「……っ、お、前やったな……」 本当に痛そうに顔を歪めて、かろうじで声を出している様に聞こえる。 「そっちが悪いんでしょ!自業自得よ!」 そうだよ、あたしは正当防衛なんだから! 「何も……ここ、狙う……こと、ねぇだろ」 まだ痛みが続いてるようで、変態教師は俯いたまま苦しんでいる。 ……そんなに、痛いものなのかな。 女のあたしには痛さは分からないけれど、少しやりすぎたのかな…… もうすでにかれこれ10分位微動だにしない男の姿を見ていると、段々悪い気がしてきて。 「……あの、……すみませんでした」 癪にさわるから小さめの声で、一応形だけでも謝罪した。 だってあたしは悪くないんだから。
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