*2個目*

3/13
前へ
/410ページ
次へ
「ただいま……」 ガチャと冷たいドアノブを捻り玄関の扉を開くと、誰もいない家に自分の声が響く。 いつもとなんら変わらない風景。 シンとした、リビング。 リビングだけじゃなくて家全体が静まり返っている。 足を進めて奥に進むとキッチンのテーブルの上には、綺麗に重ねてある三千円が置かれていた。 これも、いつもと変わらない。 あたしは溜め息を一つついて、鞄を置いて制服のまま来たばかりの家を出た。 あたしは家が嫌い。
/410ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3962人が本棚に入れています
本棚に追加