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「梨花(りんか)?いきなり隣からいなくならないでよー」
キャラメルを持って行った人の後ろ姿を呆然と見ていると、さっきまで一緒に隣で歩いていたミユがあたしの所まで戻ってきた。
あたしはハッとして、視線をミユに移す。
「あ、ごめん……ねぇ、ミユあの背の高い人知ってる?」
「え?どれ?」
「あ……見えなくなっちゃった」
「生徒?」
「たぶん、先生…かな」
ミユに説明しようとすると、さっきの男は廊下の人だかりに消えてしまった。
「知らない先生だったの?」
「見たことなかった」
「まあ、受け持ってないなら知らない先生もいるよね」
興味があるのかないのか話をしたまま、ミユは前を向いて歩き出した。
それに付いて、あたしも足を進める。
それにしてもさ。
通りすがりにキャラメル取ってく?普通。
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