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高校に入って3年目の、春。
あたしは学校も進路も、なんとなく、で過ごしていた。
別に何かを頑張るわけでもなく、一生懸命になる事もない。
勉強も恋も、何もかもに。
「そういえば梨花、昨日帰りに1年に呼び出されてたでしょ?どうしたの?」
教室に入って自分の席に腰を下ろすと、ミユが隣に座って覗き込んできた。
昨日?
あー、そうだったかも。
可愛い顔した、男の子だったなー。
「断ったよ」
「えー!勿体無い」
ミユはあたしの返事を聞くなり両手を頬に当てて、ムンクさながら酷い顔になった。
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