*3個目*

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「……っあれは!」 確かにやり過ぎたかもしれないけど、不可抗力だった。 「センセがからかってきたからでしょ!」 「からかってなんかねえよ。本当にするつもりだったけど?」 「…!サイテー!この変態教師っ!」 本当にこの人教師なの? 目を細めて軽蔑の眼差しを隣に送る。 「あのな、変態って言うな。男はみんなこういう生き物だ」 「……バカじゃないの」 あたしはこの人に反論するだけ無駄だと判断し、そっぽを向いた。 空を仰ぐと辺りはどっぷり闇に包まれ、空には満天の星空が広がっていた。 綺麗だな…… この360℃広がる星空を見ていると、自分がちっぽけな存在に思える。 そんな気持ちの中あたしはフと、そういえば、と思い疑問を口にした。 「ね、センセこの辺の家なの?」 「あ?」 「だって2回もこの辺にいるなんておかしいじゃん」 「生徒にプライベートを教えるかよ」 生徒…… そりゃ、そうだよね。 口を紡ぐあたしに、センセは続けた。 「何か相談したいことあったら、学校で話せ」 はは、そう……だよね。 心で自分をあざ笑う。 少し気持ちを緩めていたあたしは、何か勘違いしたのかな。 この人が、あたしを引っ張り出してくれるんじゃないかって…… 自然と伏し目がちになる。 「何かあったら体育教官室に来い。大抵はいるから。 いつでも頼れよ」 ……! 少し口元を上げて、意地悪な笑顔を見せるセンセ。 ちゃんと生徒と教師で線引きするのに、この人は……ズルい。
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