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「竜、そういう事言うのやめてくれる」
本当の事を言われて、少し居心地が悪くなるから。
竜は机に頬杖をつきながら、チラとあたしを横目で見た。
「お前ももう少し、可愛気があればいのにな」
「は?…可愛げなんて、いらないし」
「へーへー、そうですか」
「……」
ぷいっと顔を竜から反らして、話を終わったことにする。
竜だって、猫被りのくせに。
みんなにはニコニコして、あたしには毒舌を吐く。
「始めるぞー」
ガラッと教室の前のドアが開き、教師が入ってきて授業が始まる。
はぁ……。
毎日毎日、同じことの繰り返し。
何にも楽しくない。
でもそれ以上に楽しさを感じない自分に、楽しくない。
あたしってこんなにつまらない人間だったっけ。
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