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「え?」
あたしはミユの言ったことに理解ができず、再度聞き直した。
「掃除当番代わってくれない?今日、あの東高との合コンなの」
顔の前でパンッと手を合わせる、ミユ。
あたしは仏様か。
「東高なんてイケメン揃いで有名でしょ?このチャンス逃したら無いんだよー」
あたしが目を細めてだんまりを決め込んでいると、手を目に当てて泣き真似までしだす始末。
はぁ、と心の中で溜め息を付いた。
「今日だけだよ」
「やった!梨花大好きっ」
ガバッとあたしに抱き付くミユに、まあ悪い気はしない。
こんなに素直なミユが羨ましい。
「あっ、今日ね掃除場所、図書室なんだー」
「はっ!?」
「しかもあたし1人だけなんだ」
「……」
大事なことを、先に言ってよね……
「お願いねっ。梨花、じゃあ明日ねー」
ミユはあたしからぺりっと剥がれて、さっさと教室から出ていった。
……本当、羨ましい性格。
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