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***** 『ベルセウス座の左手に ご注目ください。彼が 手にしているものは、 実は倒したばかりの メデューサの首なのです。 そして、その恐ろしい首を 形成する星のひとつ、 このβ星は、明るさが変化する 不気味な星であることから、 「アルゴル」…悪魔の星、と 呼ばれています…』 薄暗がりでこっそり見上げると、 先生は椅子の背もたれに 身を任せ、じっと星空を 見つめていた。 …今日は、手、 繋げないのかな…。 そう考えた瞬間、スッと きれいな手が差し出される。 …盗み見てるの、ばれたし…。 …先生って、ホント、 何でもお見通し…。 ドキドキしながら その手のひらに 左手を重ねると、 優しく握られながら、 二人の手が肘かけの下に 落ちついた。 素っ気ない横顔と、 握られた手の温もり。
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