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「すみません、お願いします」 ドアの傍で上着を脱ぎ、 先生に手渡すと、その肩越しに 大きなベッドが見え、 この部屋が寝室だと分かる。 意識しすぎとは思いつつ、 わたしは慌てて目を逸らして、 リビングの方へと移動した。 3人掛けのローソファと、 向かい合うように置かれた 大きな液晶テレビ。 どっしりとした木製の ローテーブルの上には、 折りたたまれた新聞が置いてあった。 ゴー、という低い音に気付き、 窓際に目をやると、床置きの ガスファンヒーターから 勢いよく熱風が吹き出している。
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