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わたしがじいっと
盤面を見つめていると、
長い間待たされている先生が
退屈そうに伸びをして、
ソファに身体をもたれた。
「降参、したら?」
「…待ってください、
もうちょっと…」
わたしは絨毯の上に
ぺたりと座って、
テーブルの上に
身を乗り出していた。
オセロ盤の脇には、
お揃いの星マークが入った
マグカップが、仲良く並んでいる。
…あの列が全部シロになって、
こっちにもシロが残ってるから、
ここを取っておけば…。
うん、行けるっ。
わたしはシャキーン、と
オセロの石を取り出し、
盤面に置いた。
鼻歌交じりに
黒を白にひっくり返して行き、
途中でぴたりと手を止める。
「あ」
「なに」
「…ここ、次の次の次で、
また全部ひっくり返されちゃう」
「よく気付いたね。優秀」
「……」
口を尖らせて上目づかいに見ると、
先生は涼しげな笑顔を浮かべた。
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