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先生の、 …こういうところ、すごく…。 「…ずるい」 思わず声に出てしまい、 わたしはびっくりして 自分の口を押さえた。 幸い、アナウンスに かき消されて、周りからの 非難の目を浴びる事は無かった。 …聞こえちゃったかな…。 恐る恐る先生の顔を見たけれど、 特に反応はないようだ。 わたしはほっとして、 ドーム型の天井に映し出された 星空を見上げた。 『もう、 …不安にさせたりしない。 お前を今すぐ、 …俺のものにするから…』 思い出すと、顔から 火とか冷汗とか、他にも あらゆるものが吹き出して しまいそうな、あの言葉。
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