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「お前、なんでそんなに 顔が赤いの」 「え…」 じっと顔を見つめられ、 さらに顔が熱くなる。 …先生が、『会いたい』なんて 熱いメールを下さったことを 思い出したからです…。 「いえ、なんでも」 暑いですねーなどと言いながら、 顔を手のひらで仰いで誤魔化す。 上映会場を出て お土産コーナーの前を 通りががり、わたしは 足を止めた。 たたた、とワゴンに駆け寄り、 マグカップを手に取る。 「…かわいい」 ピンク色の星マークが入った シンプルなものだったが、 絶妙なころんとした形と、 生成りががった地色が たまらなく心をくすぐる。 「…ほしいの?」 顔を上げると、春山先生が わたしの後ろから 手元を覗きこんでいる。
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