日、いつも変わらぬ世界

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 基準がよくわからないが、”あの事件”以前に小国が目指した近代社会、大量消費社会にあやかったのだろうか。  以前の、貧富の差の激しかった、なりたての資本主義国家は、数年で、配給制の”ほぼ”社会主義国家へと変化した。 「メインが来たことだし、暗い話はやめてさ、食べようぜ。」 「いただきます。」  二人はすぐさまその肉の塊に喰らいついた。  昔は、家族で貧相ながらも食事をし、たくさん遊んだ。  今は、暗い世界でみんな必死にもがいている。  食事の時くらいは、この事は忘れられると思っていた。 「あぁ…家族かぁ。」  グレイがビールジョッキを片手に小さく呟く。  彼は今、その暗い思い出に耽っていた。
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