日、いつも変わらぬ世界

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 準備は出来た。  元廃墟だったこの家の応急処置として取り付けられたドアノブの無い戸をゆっくり開け、外に出る。  日差しが照り付ける事も無く、暗く曇った空気の中、人の影がせっせと動いている。  外は、まだ少し寒い冬の終わり。  兵士は皆、仮住宅から召集を受け、そこから集合場所へ通っている。  銃器やなんかは全てメンテナンスでさえ自己管理だ。  銃弾は支給されるものの、壊れたパーツなどは自分で買わなければならない。  武器の管理が個人に任されるとなると、やはり犯罪や事件は日常茶飯事となった。  兵士になるには、それなりの覚悟と責任が伴う事を認識した者しかなれないはずだが、状況も状況で、こうも荒れ果ててしまうとその採用方法の脆弱性が仇となり、このように国全体がスラム化してしまう。  もちろん、司法的な面ではしっかりした国だと言えよう、裏で操作されてるかどうかは分からないが、少なくとも誤審はここ20年起きていないらしい。  しかし、その被害を未然に防ぐ事は出来ていないのが現状、実際は司法の力もそうそう行使するものではないのだ。
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