日、いつも変わらぬ世界

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 そこには、二丁の対ブラスト用サブマシンガン「ABSMG(Anti BlaSt Submachine Gun)」を持った、威勢の良い成年の男の姿があった。  戦友のライリー=ステファン。  彼もまた、第一班の兵士であった。  第一班のメンバーはグレイが最後だったようだ、人ごみの中でもきれいに六人の列ができている。 「遅れたか?…まあいい、それで今日のはどれくらいだ?」 「敵の輸送機がタンク三個、西門の前に投下してきたって。まぁ、今日のもすぐ終るよ」と二丁マシンガンをくるくる回しながら言った。 「だが、油断は禁物だな。気を抜かずに行くぞ」 「大丈夫だって、わかってる」  タンクとは、敵のブラストの源となる頭部が詰まった輸送コンテナの事だ。  その中に、ブラストの頭部が二十機積まれている。  タンクは空中で半分に割れ、まるで自ら種を蒔く植物のように中範囲に中身を散らす。  そしてブラストの頭部が地面に落ちたその衝撃で起動し、その場で体を形成し、我々兵士たちを排除しにくる。  そんな仕組になっていた。  たしかに、タンク三個なら一時間もしないうちに片付けられるだろう。  しかし、毎回負傷者が数人、稀に死者が出ているという現状を見ると、気を抜くのは危険である。 「一班は集まったな、じゃあ行くぞ!」 「「おう!」」  グレイの掛け声と共に、班の皆はかけ足で西門へと向かった。
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