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あの後交わした、 今までになく濃厚な キスを思い出すと、 …胸がドキドキして、 身体が熱くなって来る。 あまりにも長くバスルームに こもっていたため、 外に出た時にはすでに 陽が落ち、部屋の中は 暗くなってしまっていた。 …だって、…何度も 出ようとしたのに、 その度に先生がイジワルして、 抜け出させてくれないから…。 「上手くいっているという事で、 よろしいみたいだな」 田辺くんは、間近から じいっとわたしの顔を 覗きこんで言った。 「…色々、 ご心配おかけしました…」 消え入りそうな声で 俯いて答えると、 田辺くんは嬉しそうに 笑顔を浮かべ、 「いえいえ、 お幸せそうで何よりです」 わたしの頭を撫でようとして、 …自分の手がさっきまで 真っ黒な雑巾をいじっていた 事に気付いたのか、 「おっと」と言って 手を引っ込めた。
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