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「ただ、……もしお前が
俺の傍から居なくなったらって、
勝手に怖がって、
無性に辛い気持ちに
なることはあった。
それが『過去と重ねる』って
事だとしたら、
…そういう意味では、
お前に申し訳ない事を
してしまっていたのかもしれない。
…悪かった」
先生は、親指で
わたしの頬を丸く撫でた。
「ダメだな、俺は…。
…もう少し、強くなった
つもりでいたんだけど…。
結局、自分の弱さで
お前をこうやって、
不安にさせてる」
…先生…。
わたしの頭の中に、
今まで見て来た、
先生の苦しげな表情が蘇えった。
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