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「彼とは、ちょっとした
縁があってね。
――古い友人、とでも
いうのかな」
「……」
「優しすぎる男だから、
なかなか上手に恋愛することが
出来ないんじゃないかって、
心配していたんだが、
…何だか、ほっとしたよ。
…君が相手だと分かって」
「…え…」
笹森さんは、目じりに
しわを寄せ、優しく微笑んだ。
「君は、他人を幸せに
してあげられる人だ。
色々な人の愛情に
包まれているから、
…その分、他人にも
当然のように幸せを
分け与えることが出来る。
そういう人が、春山くんを
守ってあげてくれたらと、
ずっと願っていたから…。
…君で、良かった。
そう思ったんだ」
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