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わたしは先生の手を握りしめた。
自分の心よりも、
今は、先生の傷の方が
はるかに痛い。
思いを拾い集めるように、
とつとつと発せられる言葉は、
先生の一番深いところにある
まだ誰にも見せたことのない部分
なのだと、わたしには分かった。
それをわたしに
受け止めてほしいと願う
先生の気持ちも、
痛いほど感じる。
「どうして彼女が泣いているのか、
…怒っているのか、俺は
分かってるつもりでいた。
彼女に責められても、
仕方がないって、
ずっと思ってた。
でも…。
その時の俺は、実は、
何も分かってなかったんだ。
本当は、夢の中の彼女が
何を思っていたのか」
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