~悲恋 ヒレン~

11/11
前へ
/16ページ
次へ
“ドサァ” そんな音と共に倒れる俺の身体。 (あぁ、俺。 もう死んでしまうんやな……) そんな言葉も音にならずに消えてしもた。 そして思い出すんは楽しかった屯所での日々。 姉ちゃんはいつも、 お日様みたいにニコニコ笑てたな。 どこぞの嫌味な沖田さんの笑みとは違て、 本物の笑顔でキラキラしとった。 周りが暗くても、自分が人より笑て、 みんなを明るくさせる言うてな……。 俺はそんないつも笑てる姉ちゃんが愛しかったで。 告うことは叶わへんかったけど、 ずっと好いとったんや。 気付かへんやったやろ? いつも陰から支えてたんやで?(監察やしな) なぁ、姉ちゃん。 ずっと支えとったお礼として、 1つ願い聞いてくれへんかな? 俺は姉ちゃんを好いとった。 これはさっきも言うたよな? よく、『好きな人の幸せは自分の幸せ』言うやろ? せやから、あんたは幸せに生きてくれ。 俺は上から見守っとるからな! やらへんかったらすぐにわかるからな!! ええな!? 姉ちゃんの幸せは俺の幸せなんやからな! しっかり守ってくれへんと怒るからな!! ……ほな。 またな。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加