花言葉 エゾギク

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部屋に戻ると、瑠奈はソファーに座っていた。 「お帰り」 の瑠奈の声に、 「だだいま」 と答えて瑠奈が座っているソファーの前のテーブルに、買ってきた食べ物を袋から出してテーブルいっぱいに並べた。 俺は「何でもいいから、食べよ。 俺も腹減ったし。」 と言って瑠奈の隣に座った。 「瑠奈はありがとう。」 と言って、目の前の沢山の食べ物の中から薄皮クリームパンを取ってゆっくり食べ始めた。 以前の様に喜んではくれなかったが、好みが変わってないのは嬉しい事だった。 昨日の変わってしまった瑠奈を見ていたから。 少しでも俺のキヲクの中に住んでいる瑠奈がいたのは、嬉しかった。 (変わったと言っても良い方向では決してないので、また前の明るい少し天然で、優しい瑠奈に戻ってもらいたかった。 時間と一緒に俺も瑠奈が元気になるように、出来る事をしていこうと思ったんだ。 時間が起てば、支えてくれる人たちがいれば、きっと大丈夫だと思っていたんだ。) ゆっくりでも、少しずつでも、目の前にある壁を乗り越えて行けば、大丈夫だと思っていたんだ。 その時は……… でも、その壁は高くて登りづらい程垂直で、滑り落ち易い壁である事にまだ気付いてなかった。 時間が解決なんて出来ない事も。 俺が頑張れば、瑠奈は元気になれるって事も。 全て間違っていたのかもしれない。
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