0人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋に戻ると、瑠奈はソファーに座っていた。
「お帰り」
の瑠奈の声に、
「だだいま」
と答えて瑠奈が座っているソファーの前のテーブルに、買ってきた食べ物を袋から出してテーブルいっぱいに並べた。
俺は「何でもいいから、食べよ。
俺も腹減ったし。」
と言って瑠奈の隣に座った。
「瑠奈はありがとう。」
と言って、目の前の沢山の食べ物の中から薄皮クリームパンを取ってゆっくり食べ始めた。
以前の様に喜んではくれなかったが、好みが変わってないのは嬉しい事だった。
昨日の変わってしまった瑠奈を見ていたから。
少しでも俺のキヲクの中に住んでいる瑠奈がいたのは、嬉しかった。
(変わったと言っても良い方向では決してないので、また前の明るい少し天然で、優しい瑠奈に戻ってもらいたかった。
時間と一緒に俺も瑠奈が元気になるように、出来る事をしていこうと思ったんだ。
時間が起てば、支えてくれる人たちがいれば、きっと大丈夫だと思っていたんだ。)
ゆっくりでも、少しずつでも、目の前にある壁を乗り越えて行けば、大丈夫だと思っていたんだ。
その時は………
でも、その壁は高くて登りづらい程垂直で、滑り落ち易い壁である事にまだ気付いてなかった。
時間が解決なんて出来ない事も。
俺が頑張れば、瑠奈は元気になれるって事も。
全て間違っていたのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!