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家に入ると、瑠奈の靴はあった。
少し安心した。
また居なくなっちゃうんじゃないか?と少なからず思っていたから。
部屋に入ると瑠奈は、俺が出ていった時と同じソファーに座っていた。
TVもつけず無音の状態で。
テーブルの上の食べ物は、変わらず置かれていた。
1つ変わっていた事が、ビールや酎ハイの空き缶がテーブルの上にあった事だ。
瑠奈は自らお酒を飲む事は、滅多にない。
しかも空き缶の数からしてかなりの量だった。
こんなこと今迄なかった。
「お帰り」瑠奈が言った。
俺が「だだいま」を言えず、部屋様子を見て唖然としている時に言われた。
こちらを見ている瑠奈は、笑顔ではあったが確実に酔っている目をしていた。
俺は「だだいま」と言ったが、現状に驚き、嫌な思いを凄く感じていた。
俺の知ってる瑠奈じゃない。
変わり過ぎてる。
5年間の瑠奈が、たった3ヶ月で。
瑠奈を元気になるように、色々話を聞き出して、少しでも力になるんだ。
と思って帰って来た時の決意みたいなものが、
今見ている光景に、後退りしている様な感じがした。
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