0人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
そして店員を呼び、お互い3杯目のビールを頼んだ。
瑠奈がジョッキ3杯飲む事は今迄なかった。
いつもお酒に付き合ってくれる時は、2杯目以降甘いカクテルをゆっくり飲んでいた。
「大丈夫?そんなに飲めないでしょ?それに何も食べていないし。」
瑠奈は、注文した料理は勿論お通しにも箸をつけてなかった。
そして3杯目のビールが運ばれて来て、瑠奈はそれを口にして、
「私病気になっちゃった。」
と一言つぶやいた。
瑠奈の顔を見ると、目に沢山の涙をためていた。
俺は動揺どころではなく、病気と言う言葉を理解する迄に、少しの時間を使った。
「えっ病気って、腸の?」
と聞くと
瑠奈は首を振った。
瑠奈はここ1、2年、腸が悪いと言って定期的に病院に通っていたのは知っていた。
病名も知らなかったし、何より元気にしていたのであまり気にしてなかった。
毎日ヨーグルトを食べている事も、
日課の様にしか感じなかった。
でも腸の病気の質問に対して、瑠奈は首を降っていた。
何か嫌な予感が、高波の様に押し寄せて俺を包んで行った。
最初のコメントを投稿しよう!