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「瑠奈のちょっと話しようよ。昨日の話だけじゃ、分からないこともあるし、大丈夫?」
と瑠奈に聞くと、
「いいよ。」
と瑠奈は答えた。
落ち込んでいる時に飲んでる様には思えなかった。
落ちていると言うよりか、その逆に感じた。
それでも俺は聞いた。
「瑠奈の病気はもう治ったの?」
とストレートに聞いた。
瑠奈は「治ってないよ。
重い方の卵巣をとったたけで、まだ筋腫が残ってるし、それがもう一つの卵巣の近くの卵官にあるみたい。だから、卵子が流れにくいみたい。」
瑠奈は普通に答えた。
昨日の涙の告白とは違った。
俺は少しではあるが、ネットで調べていた。
卵巣は二つあるし、赤ちゃんは子宮内にいる。
病気の症状までは理解出来なかったが、今の瑠奈の言葉でなんとなく分かってきた。
「じゃあ病院行こうよ。行って治そうよ。」
と言うと、
瑠奈は「病院いってるよ。でも、卵官の近くにある筋腫を、綺麗にとるのは難しいんだよ。何も分からないのにいわないでよ。」
と言って瑠奈は、立ち上がり履いているズボンを下げた。
下腹部付近には手術の後があった。
瑠奈の白く綺麗な肌に、忌々しい縫い傷があった。
瑠奈は涙を流していた。
怒りに満ちた目で俺を見ながら!
そして俺は言葉を失った。
無力になった。
マネキンの様に固まって、瑠奈を座らせてあげる事も出来なかった。
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