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少しのcall音の後にさゆりが、電話に出てくれた。
さゆり「もしもし、しゅんどうしたの?」さゆりの明るい声が聞こえたら、少し安心感が芽生えた。
この子は元気なイメージがつよかったから。
しゅん「もしもし、ごめん、電話大丈夫?」
さゆり「うん、大丈夫だよ。仕事終わったから。」
しゅん「お疲れ様。あのさ、瑠奈の事なんだけど、ちょっと大変って言うか、元気がないんだよね。
何か知ってる?」
さゆり「うん。私も心配してたんだ。昨日も電話したけど、元気ない感じで。」
しゅん「そうなんだ。ご飯もあまり食べずに痩せてきてるし、お酒に頼る様になってるんだ。」
さゆり「そうなの?瑠奈お酒得意じゃないのに。」
しゅん「そうなんだ。でも今は、見守るしかないって言うか、色々考えて行動してみても、瑠奈が乗り気にならなくて。何も変えられないんだ。」
と少し嘆いてしまった。
さゆり「瑠奈も相当ショックだったんだよ。奈美の悠を見てきたから、
しゅんに言うのも酷かもしれないけど、赤ちゃん生めなくなってよりショックが大きいんじゃない。」
しゅん「大丈夫だよ。俺が悪いし、
でも、まだ生めなくなった訳じゃないよね?卵巣一つあるし、でも子宮筋腫が近くにあるから、排卵しづらいんじゃないないの?」
さゆり「えっ聞いてないの?瑠奈は子宮の悪性の腫瘍だったんだよ。
以前、子宮筋腫になったけど、今度は悪性の腫瘍が見つかって子宮をとったんだよ。
発見も早かったんだけど、前から、子宮に病気があったから取ることになったみたい。」
頭が混乱した。
さゆりの声が遠く遠く感じた。
しゅん「えっなんで、俺には卵巣のチョコレートなんとかって言ってたんだ。なんで?」
さゆり「瑠奈はしゅんの家を出たあと、すぐに入院してたんだよ。
そして手術がして、治療して、退院する時に瑠奈はしゅんに手紙を出したんだよ。
病気の事は詳しく分からないけど、卵巣の事も言ってたかな?
瑠奈はしゅんに赤ちゃん出来ないって思われたくないんだと思う。
少しは可能性があるって思われたかったんじゃない?」
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