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瑠奈の言っている内容を全て理解するまでには、時間が必要だった。
それでも何とか、思考を瑠奈の言葉に向けて整理した。
瑠奈は腸の病気じゃなく、前から子宮の病気(子宮筋腫)だった事。
妊娠し中絶した時は、違う病院でその事は言われてない事。
今度は、卵巣の病気にもなっていて、卵巣を取る手術をした事。
その事で癌にはならない事。
そして、赤ちゃんが出来なくなるかも知れないと言う事。
これが今現在、限界の思考で理解できた事だった。
(赤ちゃんが出来なくなるかも知れない。
赤ちゃんが出来なくなるかも知れない。
その言葉が脳裏に何回も、何十回も響いてきた。
瑠奈に赤ちゃんが出来なかったら、俺の責任だ。
あんなに欲しがっていた赤ちゃんを、俺の些細な一言で、奪ってしまった。
お正月に水子の神社で赤ちゃんとした約束も果たせないかもしれない。
何もかも俺の不甲斐なさが招いた結果だ。)
今目の前で、泣いている瑠奈にかける言葉は見つからなかった。
と言うより、言葉を発する事さえ出来なかった。
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