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それから二人は店を出た。
そしてタクシーに乗り俺のマンションへ向かった。
このまま瑠奈をほっておけないし、
何より俺がどうしていいか分からなかった。
この時点では、ただただタクシーから、見える新宿の夜の町しか目に写らなかったが、
やがて瑠奈が俺に伝えに来た意味も、瑠奈が出ていった意味を何となく考えていた。
(出て行ったのは、あの時変わり始めた俺を気遣ってくれた。
煙草の吸う場所や、貯金の事、そのうち店を辞める事、そういった方向に瑠奈が導いていたから。
だから、自分の心を体を崩れて行ったら、瑠奈が望んでいるレールに、
俺がやっとのぼって走り出したレールの行き先を変えてしまうかも知れないって感じたんだね。
でもね、瑠奈がいなかったら、そのレール自体消えてしまったんだよ。
例えレールが俺のキヲクの中に残ってたとしても、瑠奈が敷いてくれたレールだから独りじゃ走れないから。
瑠奈と一緒じゃないと、方向音痴の俺は別れ道があったら、きっと違う方向に進んで行っちゃうから。)
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