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そしてあの桜の木の下に着いた。
桜の木は、緑色の沢山の葉に包まれていた。
今迄気付かなかったし、考える事もなかった。
桜の木は秋から、冬にかけて枯れるんだ。
人々の心に美しく、思い出の足跡を残す花が咲いている季節だけ、
注目されていても、冬になるまで違う顔で生き続けているんだね。
花に興味がない俺には、これが桜の木だよ。と言われてもピンと来ないと思う。
綺麗で、力いっぱい、美しい花を咲かせているのが、桜だと思っていたから。
多分大抵の人が、その時にしか余り興味をしめさないけど、その美しさから沢山の人々の心に、思い出の一部になれてる生き方は素晴らしいと思ってた。
一年の間に姿を変えながらも、一番輝いている時に、人々の心に足跡を残す。
その生き方って、人に注目されるのはほんの一時で、
他の時期は見向きもされない時が殆どだけど、それでも春になればまた輝きを放つ。
そんな生き方辛いんじゃないかな?
でも春のその一時だけ、沢山の人を魅了する、
でも、そんな生き方人は出来ないんだと思う。
変な知恵があるから、ずっと明るい所にいたら、ずっとそのままでいたいと思っちゃうから。
だからずっと瑠奈が元気でいれば、
ずっと、ずっといてほしいと思っちゃうんだ。
やっぱり、桜の木(キミ)の前で、思うのは失礼なのかな?
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