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「そうですか?でも、僕にも想う事があります。嘘なんてどうでもいいんです。僕を試したって、罵ったって、殴ったっていいんです。
彼女が僕を頼ってくれた以上、出きる事はしたいんです。それだけ、彼女は、瑠奈は僕を救ってくれた。
助けてくれた。命を救ってくれたんです。だから、前の瑠奈に戻るまでは、沢山瑠奈を支えている、沢山の手の中にいたいんです。」
と言うと、
瑠奈の母親は、
「貴方は、瑠奈の今後に責任を持てますか?瑠奈は、子供は産めません。貴方は、瑠奈といると、父親には、なれないんですよ。それでもいいんですか?あの子も貴方もまだ若い、お互い違う出会いだってあるはずです。」
と言った。
「今の瑠奈が元気に、前の様な、家族思いの優しい彼女に戻ってもらう事しか今は考えていません。
それだけでいいんです。その後の事は、まだ考えられません。
瑠奈が俺から離れたら、それは現実として受けとめます。でも、僕に見えているのは今の現状です。
今は父親になれない事より、瑠奈の心が元気になればいいんです。」
と、正直に自分の想いをぶつけた。
瑠奈の母親は、
「それでは、瑠奈の先の事迄考えられないっ事ですか?瑠奈が元気になれば、役目は終わりですか?」
と、どんなお母さんでも、きっと誰もがいうだろう事を言われた。
「ただ、ずっと一緒にいたいんです。子供が産めない、病気だ、これから大変だと、言うことなんて、関係ないんです。瑠奈が元気になれば良いんです。」
どの様に母親が、とらえるか分からないが、正直な気持ちをぶつけるしかなかった。
ただ瑠奈のお母さんの目から、自分の目をはなさなかった。
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