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喫茶店を出て、まだ12時を過ぎたばかりなので一度家に帰った。
家に着くと、ソファーに座り、瑠奈に電話をすることにした。
瑠奈のお母さんが言っていた事、
手首を切った。
自傷行為迄する様になってしまった。
水商売や風俗の女も、ためらい傷がある子も何人か見てきたが、
精神の安定が保たれなくなる事があり、手首ではなくても自らを傷つけてしまう。
中には繰返し行う子もいた。
だけど、浅い傷が殆どで死のうと思っているのかは、分からないが、
やはり安定剤等を服用している子が多かった。
瑠奈のお母さんと話している時は、
俺自身も少くなからず冷静ではなくて、最初はお母さんの言葉を信じていなかった。
でも、帰り際にもう一度言っていたので本当なのだろう。
今時間が経って冷静に考えると、
瑠奈は家では、どの様に過ごしていたんだろう?
その事については何も、聞いていなかった。
それ以上に今の瑠奈の事を、俺の方からは何も聞いていない。
毎日の短いメールだけで、少し分かっている様な気でいたんだ。
何だか自分自身に、苛立ちを感じた。
何も分かってない。
何も出来てない。
何をしていいかも分かってない。
瑠奈のお母さんには自分の正直な気持ちを伝えたが、
お母さんに気持ちを伝えた所で、何も変わりはしない。
それでも正直、瑠奈のお母さんに自分の想いを伝えた事に、
明日瑠奈と会う事を許してくれた事で、少し満足している自分がいたんたのは確かだった。
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