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そのお陰でめぐみとすれ違わずに済んだんだから、ちょっとくらい山崎さんにいやみを言われたって構わない。
俺と山崎さんが大学の頃からの友人で、オープン当時からこの店に通っていると言うと、
「じゃあ。ここで会ってるかもしれないですね」
めぐみは俺と会っていることを知らなかったようだ。
当然と言えば当然だが、少し寂しい気もした。
小さくため息が出た。
そんな俺を見て、山崎さんも同情したのか同じくため息をついた。
出された酒を飲み、山崎さんの顔を見てホッとした顔を見せためぐみに、また胸が締め付けられた。
「何ホッとした顔してるんだよ」
出来るだけ笑顔を作って言ってみたが内心穏やかじゃない。
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