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「もう……」
「こっちもおかわり」
神宮寺さんの声に遮られて断れなかった。
ふと顔を見るとニコッと笑顔が返ってきた。
「わざとですね!」
ちょっと拗ねて頬を膨らませると、神宮寺さんか耳元に顔を近づけて誰にも聞こえないほど小さな声で囁いた。
「まだ帰さないよ」
「えっ、あっ、う……」
言葉も出てこないまま一瞬で耳まで真っ赤になって思いっきり俯く。
そんな様子を楽しそうに見つめながら、神宮寺さんはお酒をひとくちで飲み干した。
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