嫉妬

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神宮寺さんは名刺を私の手からするっと抜き取る。 「めぐみ、いい名前だ。電話するよ」 そう言い残すと、クスッと笑って店の前に止まっていた黒い車の、開かれた後部座席に乗り込んで去っていった。 「運転手付って……。何してる人だろう?」 手に持ったままの名刺を見てもプライベートなもののようで、名前と携帯番号とメールアドレスしか書かれていなかった。 「女神先輩、ありがとうございました。でも緒方店長怒ってますよ」 背後からの刺すような視線に身動きが取れなくなっていると、のぞみちゃんがそっと横に来て教えてくれた。 「あぁ、やっぱり?」 もちろん事務所に呼ばれた……。 「解ってるよね、言いたいこと」 .
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