檻の外

5/6
前へ
/6ページ
次へ
そのまま手が頬に添えられる。 「…チューしてほしい?」 マジすか。いいんですか? 「はい」 この人の前では清々しいくらい僕は犬だ。 首の裏グイッと引き寄せられて、チュッて音を立ててキスされたあと、少し出した舌でノックされ、右から左、左から右へ軽く唇だけをこすりあわされる。 陽介さんのクセだ。 舌で追っかけようとしたら逃げられるのもいつものこと。 「…陽介さん…もっと…」 もっともっと欲しい。 最初の頃は、この人にこんな風にしてもらえるなんて、思ってなかった。 そのことがすごくすごく嬉しい。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加