戸惑い

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そりゃそうだと大きく頷く。 「だから隠したかったんじゃない?」 喋りすぎたかなと頭を掻きながら、マスターは店を出て看板に電気を点けた。 やっぱり納得がいかない。 私の想像している神宮寺さんなら、この失態を盾にかなりからかったり苛めたりしそうだと思っていたのだ。 でも実際は内緒だなんて……。 きっと眠っていた私を抱えて部屋に運んだり、いろいろ世話をやいてくれたはずで、恩着せがましくされる事はあっても、内緒にするなんてあり得ない。 「納得いってないみたいだね」 不服そうな顔をしている私を、可笑しそうに笑いながらマスターが戻ってきた。 「はい……。よくわからない人だとは思ってましたけど、想像以上でお手上げです」 「まぁそう言わずに、誠の事よろしく頼むよ。結構いい奴だから」 .
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