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2年前のあの日。
いつものように、急いで山崎さんの店に向かっていた。
最近山崎さんの店に、時々顔を出すようになったある女性に一目会いたかったから。
今日は仕事が長引いたせいで、いつもより時間が遅い。
もしかしたらもう帰ってしまっているかもしれない。
そう思うと信号すらも恨めしい。
山崎さんの店には長く通っているが、店で見かけても話をしたこともなく、きっと彼女は俺の事は知らないだろうと思う。
少し前までそれほど込み合わなかったあのバーが、彼女が通い始めてからかなりの賑わいをみせていた。
間違いなく彼女目当ての男性客が増えたのだ。
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