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「お疲れ様。じゃあ、またね」
私達の車を見送ろうと手を振ってくれるのぞみちゃんに手を振り返してウィンドウを閉めた。
走り出した車の中の私はというと、またまた誠さんに抱き締められたまま身動きが出来ないでいた。
「あの～、どこに向かってるんでしょう？ 私帰りたいんですけど……」
怒らせないように恐る恐る聞いてみた。
「家だけど……」
「私も自分の家に帰りたいんですけど……」
通じているのか通じていないのか、いっこうに私の家に向かう様子はない。
「止めてください」
待っていても埒があかないので、運転手さんに直接お願い。
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