837人が本棚に入れています
本棚に追加
たまたま信号で止まったタイミングでドアを開けようとした。
「何をしている」
無理矢理誠さんに引き戻されて、あえなく脱出は失敗に終わった。
「離してください。私は自分の家に帰りたいんです」
必死の願いも虚しく、着いた先は誠さんのマンション。
腕を掴まれてエレベーターに乗り込み、全く逃げる隙さえ与えてくれない。
今朝はもう二度と来たくないと思って開けた玄関から、また中に入ることになるとは思わなかった。
中に入ると、朝と随分様子が違う。
案内された部屋に入ると、今朝は何もなかったはずの部屋に、私の荷物が運び込まれている。
.
最初のコメントを投稿しよう!