俺のもの

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しかしすぐにあがる気にもなれず、湯船にゆっくり浸かる。 遠くで誠さんが呼んでいる気がしたけど、返事なんてしたくない。 黙ったまま肩までお湯に浸かり、ゆっくりと瞼を閉じた。 しかし、ゆったり至福のひと時を味わっていたはずだったのに。 気がついたらベッドに横になっている状態。 「気がついたか?」 すぐ目の前には心配そうな誠さんの顔。 「私……」 「風呂でのぼせてた。心配かけるなよ」 あんなに不機嫌な態度を取っていたのに、そんなことはなかったみたいな優しい笑みを向けられる。 .
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