837人が本棚に入れています
本棚に追加
しかしすぐにあがる気にもなれず、湯船にゆっくり浸かる。
遠くで誠さんが呼んでいる気がしたけど、返事なんてしたくない。
黙ったまま肩までお湯に浸かり、ゆっくりと瞼を閉じた。
しかし、ゆったり至福のひと時を味わっていたはずだったのに。
気がついたらベッドに横になっている状態。
「気がついたか?」
すぐ目の前には心配そうな誠さんの顔。
「私……」
「風呂でのぼせてた。心配かけるなよ」
あんなに不機嫌な態度を取っていたのに、そんなことはなかったみたいな優しい笑みを向けられる。
.
最初のコメントを投稿しよう!