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「あれ~、なんでそんな嫌な顔するのかなあ?
いかにも『早く帰りたい』とか『どっか行け』って顔だよ?
僕、割と幼女には好かれるんだけどなー。
あ、いつも用意している10円程度のお菓子を渡してないからか!!」
嫌がる私を無視して、青年は懐かしい姪にでも渡すように笑顔で四角い物を、
自分にセットした爆弾の下から出したそれを差し出しました。
「……。」
私はそれを受けとりませんでした。
私が受け取らずにガタガタ震えていると青年は残念そうに包みを開き、自分で食べてしまいました。
「なーに?
チョコレート嫌い?
しょうがないなあ。」
『よっ』と、軽く掛け声をかけると、
青年は腕を振り上げました。
びちゃびちゃと私の顔に何かが飛び散りました。
赤くて生温かいそれは怖くてしゃぶっていた指などにくっついて、
最高な香りを私に与えました。
「死んじゃうからちょっとしかあげないけど、
食後のおやつくらいには…
最高だよね?」
ニコニコと笑顔を変えずに、
青年は自分の腕を差し出しました。
本当に狂っている。
本能むき出しで、舌を這いずらせて無我夢中のおやつを済ませてから、
私はそう思った。
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