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ガチャッ。
玄関の扉が開き、誠さんが出てきた。
「だから言っただろ。ここがどこかも知らないくせに……」
呆れたように笑っている。
全然笑えないんですけど……。
仕方なく誠さんの車に乗り込む。
途中で部屋の鍵と住所を書いた紙を受け取る。
誠さんの家は私の住んでいたマンションと職場のちょうど真ん中辺り、しかもかなりの駅近。
「明日からは電車で行きますから」
甘えるのが苦手で損な性格を、今さら悔やみながら仕事に向かった。
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