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「随分真剣に見てるのね。」
ソファーの隣に腰を下ろし、冴子がコーヒーの入ったカップを静かに手渡す。
彼女とは先月から同居している。
しかし、本来ならばこれが正しい夫婦の形なのだろう。
「いやぁ、奇跡ってあるものなんだなぁ~って思って。
思わず感情移入しちゃったよ。」
自衛官に抱かれた乳児の姿が映るテレビの画面。
手で涙を拭いながらテレビを指差すと、冴子も俺と同じ方向に視線を向けた。
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