Among the rubble

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彼女が娘を“女手一つで育てていた”という事実を、俺は後日、工房にあった新聞の記事によって知った。 今テレビに映っている小さな子どもは、母親の愛情をたっぷり受けた女の赤ん坊。 この子は時雨怜叶にとって、唯一無二の家族だったのだろう。 自らの命を投げ打っても尚、この作家は大切な我が子をしっかりと護りきった。 新人賞を受賞し、作家として世間に名前が知られるようになったばかりなのに……。
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