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「分かるのか分からないのか。はっきり言え」
「わっかりっませーん」
とぼけた口調と共に、紙を返してくる。興味自体ないらしい。
「どうだっていいじゃないか、そんなの。その文字がなんであろうと、君はその感想に対する感想を書けばいい。そうだな、僕なら授業の内容に関する感想を書きましょうって書くかな。ほら、読めなくたって構わない」
そう言って、プリントの一番上を差す。
「安土桃山時代―天下統一までの道のり―」
その名の通り、前回の授業では織田信長が天下を統一するまでの道のりについて語った。
俺は日本史を受け持つ教師なのだ。大輔は言った。
「第一、君らしくないな。効率を重視する君がこんなことで悩むなんて」
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